| その島は北海道の北のはし、稚内からさらに船で２時間ほどいったところにあります。
ある程度いろんなところに行ったことがあるようになると、おなじような経験をしたひとたちと
どこがいちばんよかったかという話しをするときにかならず出てくるのがこの島のなまえだと思います。
そこはまさに楽園の島であり、旅人にとってはちょっと特別な意味をもっている島なのかもしれません。
島といっても南のしまのリゾートではもちろんありませんので、豪華なホテルがあったりビーチがあったり
あるいはなにか遊べるところがあるというわけではありません。
ただ、とても美しい自然の景色があるだけです。
この緯度までくると、本州では２０００メートル付近までいかなければ咲いていないような高山植物が一面に咲いているのです。
船で到着すると、礼文島の南のほうの香深という港に着きます。
この港のちかくに、桃岩という桃の形をした山があるのですが、ここから見た景色はいまも記憶にのこっています。
あしもとには猫のあたまの形をした猫岩が望めます。そして海の向こうには利尻富士。
さて、礼文島にはもうひとつはずせないスポットがあります。それは島の北の端にあるスコトン岬。
岬からは野生のトドが住んでいる「トド島」が見えるとききました。
野生のトド！！ すげえ見たい！！
当時バスの便がなくて、わたしはレンタサイクルで行きました。
レンタサイクル屋のおやじに、遠いのか？ときいたところ
「いや、いまさっき女子大生のグループが行ったところだ」というので
安心してママチャリ（近所のスーパーに買い物にいくとき使う自転車）借りて出発！
うまくいけば追いつけるかもしれないし。むふふ。
ところがそんなに甘くなかった。いけどもいけども到着しません。途中で道を聞いたところ
「そんなに遠くまでほんとに行くのか？」と聞かれてしまった。
それでもがんばりました。
香深からスコトンまで片道２５キロ。往復５０キロ。ママチャリで。
途中、原チャリに乗った女子大生グループが戻ってくるのとすれちがって、そういうことだったのか…
とわかっても。
スコトンはあなどれない岬です。猛烈な風が吹いてます。あるのはさびれたほったて小屋の売店だけ。
でも、すげえ景色をみれました。
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