97-03-29
私は２つの人格を持っています。
本当の私は内向的で引込み思案で、自信がなくて、臆病で、ひとの目が恐くって、いつも他人の顔色をうかがっています。
もう一人のわたしは一生懸命仕事をしたり、努力という言葉が好きで、人を笑わせようとしたりするわたしです。ほとんどの人はこっちのわたししか知りません。人にはそっちしか見せないようにしてるからです。走り続けているわたしです。
ひとはみんないくつかの顔をもっています。ただそれを知られないようにしているだけです。
ときどき、別の人格が凶暴性を持っていたり、攻撃的であったり、驚くほど残忍である人が他の人を傷つけたり殺したりした事件がマスコミでとりあげられています。
たとえば連続少女殺人の宮崎被告がそうです。
彼の場合、内向的な性格と残忍で自己中心的な性格を少なくとも持っていたようです。では本当の彼はどれだったのでしょうか？マスコミや裁判所では、おとなしくて内向的な性格がもともとで、時として残忍で陰湿な性格が表れると解釈しています。裁判所にとってはどっちでもいいのでしょう。
でも、こういう例はむしろまれです。みんながみんなそうだったら連続殺人なんて日常茶飯事になってるはずです。
だからほとんどの場合、多重人格はこわくない。
わたしの場合は、幸いなことに残忍な性格を持った人格は持ち合わせていません。自分では内向的な方が本当の自分だと思っています。きっとわたしがなにか事件を起こしたら、あるいは事件に巻き込まれたら、マスコミは「ＸＸサラリーマンのもう一つの顔」などと内向的な方のわたしを報道することでしょう。もともとそっちが本当の顔なんですけど。
さいきん渋谷で殺された電力会社の人はどっちだったのでしょう？
わたしはいつまで走り続けることができるでしょうか？