97-04-12
私の勤めているところは民間企業の研究所なんですが、強いストレスを受ける仕事なのか
あるいは精神的にストレスに弱いひとが多いのかわかりませんけど
具合が悪くなるひとをときどきみかけます。
もちろん会社の病院でカウンセリングを受けることもできるし、病気が原因で
欠勤が長期に及んでも、会社を辞めさせられるということはありません。
もちろん、仕事が自分に合わないとわかって自分で辞めるのは自由ですが…
まあ、原因は人それぞれなんです。
人は心理的に追いつめられると、どこかしら調子が悪くなります。
とくに、強いストレスを受けた場合、その時の気持ちや悩みを他の人に
うまく説明できないとき、その気持ちを体の不調として身体化して訴えるようです。
たとえば、頭が痛いとか、食べた物を戻してしまうとか…
それがもっとひどくなるとどうなるか
わたしは話には聞いていたけど実際に鬱の状態の人を見たことがありませんでした。
なぜなら鬱になると、そのひとは外に出てこなくなるからです。
逆に外に出ているときはその反動で非常に躁の状態になっているか、あるいは
普通の状態なので、その姿だけをみていると、具合が悪いときの状態を
想像することができませんでした。
あるとき私は非常に強いストレスを受けました。
いくつかの出来事が偶然にも同じ時期に起こったために、とても苦しみました。
医者に行って診断されたわけではないし、クスリを処方されたわけでもなく
いまこうしてこんな文章を書いているところをみると、それが鬱だったのかどうか
わかりませんが、気分が沈み込んで、非常に無気力になり、他の人が恐くなり
食事もとれず、眠れなくなくなりました。
その時の気持ちは今ではうまく説明できません。なぜそうなったのかわからないのです。
もちろん間接的な原因を話すことはできますが…
でも、そのとき
ああ、なにをするのも恐くなったような気がします。
普通だったら、何かをして、うまくいかないと
別の方法でやったり、あるいはやるのをやめるといういろんな選択肢がとれますね。
だけど
どの方法をとっても、うまく行かない気がする
やらないともっと悪くなる
という気がすると、逃れる方法がなくなってなにもできなくなります。
やっぱり、うまく説明できませんね
正気のときに狂気の状態をうまく説明できないし、理解できないのと同じで
おかしくなると、自分が正気だったときのことがわからなくなります。
だから、理性的、論理的、直感的、本能的な判断をしようと思っても
ぜんぜんできないか、正常なときとは違った結論しかでなくなりました。
さて、どうやってそのような状態から脱出することができたか。
じつはよく覚えていません。
ふとしたきっかけで、急に１つの選択肢を選ぶことができるようになったのです。
どの選択肢を選べば結果として正解だったかではありません。
選択ができるようになった。つまりいくつかの選択肢がすべて同じように
悪い結果を生むと思えた状態から、
選択肢に順位が付けられるような状態に突然もどったのです。
いろんな人に助けられました。やっぱり人間は一人では生きてゆけない
だれにでも悩みはあるんだよ
だから…